
shibayama
works
Produced in1990
Art from 1990, the dawn of computers.
Art from the early days of computers in 1990.
PUMA magazine advertisement

Produced in1990
After purchasing Shade, I received a job from a company I knew, doing CG production for the first time. It was a time when it was not yet possible to submit documents using DTP. Moreover, it was an era of phototypesetting, photo positive film, and copying. However, I felt strong and carried on. One day, a reporter came and showed me this CG, and he said, ``It would be great if I asked CG production ○○○ to do this. What...'' he said. It felt like a time when CG was completed by one person on a desktop.
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client: PUMA Liberman Well Sherry
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project: PUMA magazine advertisement
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CG Nobuhiro Shibayama
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ad: Takashi Sudo
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production summit creative
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agency: ADK
Castle of the Three Kingdoms in the early days of computers
It was so difficult to model hundreds of roof tiles alone. For example, let's say you pull out one roof tile. Then, it took 30 to 60 minutes just to watch the correct arrangement on the screen by saying redraw. The time was 1990, that was the time. The graph on the lower right is a sign of my brain waves.

Produced in1990
1990年、3Dソフトを探し求めて
1990年、私は自分に合う3Dソフトを必死に探していた。
当時は秋葉原にすらMacを扱う店はまだ少なく、「イケショップ」など限られた店を訪ね歩き、情報を集める日々だった。
アメリカではすでに「Strata」や「Swivel」などの3Dソフトが登場していたが、どれも広告表現に必要なディテールを再現するには不十分で、計算スピードも気が遠くなるほど遅かった。そんな折、日本製の3Dソフトで「PCにボードを追加すればするほど処理が速くなる」というものがあると聞いたのだ。
そのソフトは「Shade」。見学の予約を取り、実際に触れてみると、当時知っていたどのソフトよりも速く動き、複雑な形を作り出せることに驚いた。ちょうど小さなオフィスを借りようと考えていた時期で経済的には苦しかったが、迷わずShadeとMacintosh IIfx本体のセットを約250万円で購入した。
それ以来、Shadeの「無菌室のようなバーチャルスタジオ」で、自分の頭の中にある広告用の大道具や小道具を組み立てるように、3Dソフトの勉強を始めた。
初めての大きなプレゼンと成功
ちょうどその頃、旭通(今の ADKの)の佐藤さん、横川さんから「セイコー5社競合プレゼン」の話が舞い込んだ。クライアントにこれまで作りためていた3Dビジュアルを見せると、その場で企画が通った。皆で喜んだのを今でも覚えている。
しかしクライアントから届いた新製品は、非常に複雑な文字盤を持つ「ALBA」のクロノグラフ。IIfxで約10日かけて形を整えたが、宣伝部長が製作途中を視察に来ることになった。図面とデバイダーを手に、3Dモデリングと実物の部品を色まで厳密に照合され、出力したプリントは瞬く間に赤字だらけに…。ポンコツな機材と格闘しながら、夜明けを何度も迎え、修正と納品にさらに2週間を費やした。
少年ジャンプに掲載され、大ヒットへ
苦労の末に完成した広告は『少年ジャンプ』に掲載されると、少年たちが雑誌を破り取って時計店に持ち込み、「この広告のモデルをください」と指名買いをする現象が起き始めた。結果として、このクロノグラフはセイコーとALBA全製品の中で売上第2位を記録した。
制作に使ったのは、System 6.07、メモリー8MBのMacintosh。広告の元データは畳8畳以上のサイズにもなり、ビルボード広告にも展開された。今思えば、よくもあの巨大データを完成させたものだと自分でも感心する。デジタル広告表現の新時代に突入した手応えを強く感じた瞬間だった。
この仕事を見たMdN編集部は大いに驚き、「普通ならシリコンなどが並ぶCGプロダクションに持ち込まれるレベル。1991年当時で、これを一人でやり遂げたのは大仕事だったでしょう」と称えてくれた。