
SHIBAYAMA
WORKS
Produced in 1994
コンピュータ黎明期の三つのアートともう一つのアート。
Achieve Greatness.
Art from the early days of computers in 1994.
大まかに下のHeinrich Schliemannを例にしてみよう。3DのモデリングのShade等のデータを今度はLivePictureに持っていく。Photoshopは計算ずくで一つ一つのピクセルを間違いなく定着させるソフトだが、LivePictureは計算ではなく感性だ。タブレットがあれば、写真を薄く合成したり輪郭をあまくしたりできる。エレメントが多く複雑なCGは写真で言う被写体深度をうまく補いポイントを整頓することが有効だ。見る人は曖昧な空間の前に立たされるのだが、ボケているから見る人それぞれのイマジネーションがふくらんでいくのだ。そして彼らの視線をつなぎ留める事ができるのだ。大きく作業を分けると(1)エレメントの隙のない構成(1mmも動かせないバランス)(2)光と影を使うことによる画面の定着(3)曖昧化の順が大きな制作過程だ。
まず、前回レンダリングしたピクトイメージ類をTIFFに全てコンバートする。LivePictureでコンバーターはさらにTIFFからIVUEファイルにコンバートする。IVUEができあがったらLivePictureに持ち込む。ここではまず、先程つくったバックと人物を配置する。そして空間に杯やアーガメムノン仮面をレイアウトする。そこでシャドーを空間に描き込むわけだがLivePictureでするとこうだ。下の杯を例にとってみよう。
まず、レイアウトする場所を左下にする。そして単色ペイントで杯のまわりを選択ツールで塗りつぶす。その時に濃度を50%以下にしておく。次にこの杯のマスクを単色ペイントに応用してあげればそのマスクの形になった影のテンプレートがつくれる。それにLivePictureの右のレイヤーブラウザーの杯のパートの左から2番目のアイコンをオプションボタンを押したままマウスで指定してあげて、次に先程の単色レイヤーのマスクにドラッグすると杯の上に影部分がのった状態になる。
そこで杯の下に今制作した影用レイヤーを移動する。そして右下に移動してあげるとだいぶ影らしくなってくる。そして今度は変形をしてあげる。全体の配置に気をつかい、レイアウトをだいたいしてみる。一度ビルド(3Dで言えばレンダリングのようなもの)をして、そしてA3程度の昇華型プリンターで出力して見る。だいぶ神経を集中した。確認の為一夜あけて次の日また手直しをして完成だ。
Produced in 1997

Heinrich Schliemann
PCを使う以前はテンペラ画も描いていた。柴山の作品には中世ヨーロッパ的なイメージが多く見られる。下記はトロイの遺跡の物語の発掘者ドイツ人のハインリッヒ・シュリーマン(Heinrich Julius Schliemann)が、昔聞かされたトロイアの話が忘れられず、やがてそれは神話ではなく実在したと確信。発掘に乗り出したのだった。イスタンブールに駐在する西欧列強の外交官を動かして再度発掘許可を出させ、トロイの木馬などの発掘作業のため遺跡を続けた。下の絵はその時彼が抱いていた想いを描いたもの。

Picture taken 1995
Picture taken 1995
Graphis(グラフィス) 288 に掲載。1995年度の事。Published in Graphis 288. 1995.

Produced in 1994
Pasteur
ワクチンの予防接種を生み出したパスツールは世界屈指の生化学者かつ微生物学者。例えば今世界中で問題の弱毒化させた微生物を接種することで免疫を得ることができると発見したからだ。あまり知られていないが、彼はパステル画とリトグラフが好きで、13歳から20歳の間に家族や近親者のポートレイトを40枚も残している。芸術と化学。一見正反対に見える分野であるが、彼の世紀の発見は、芸術家としての視点があったからだと言えよう。この絵で生化学者かつ微生物学者でありアーティストの彼からテレパシーが貴殿に。MAC Quadora950にShade、LivePicture、PhotoShop。

Produced in 1994
Da Vinci

Gutenberg


